病院薬剤師の当直・夜勤のリアル|「きつい」と言われる理由

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病院薬剤師の当直・夜勤のリアル|「きつい」と言われる理由

「病院薬剤師に興味はあるが、当直がきついと聞いて踏み切れない」——調剤薬局からのキャリアチェンジを考える薬剤師から、こういった相談をよく受けます。

病院で夜間の当直・オンコール体制の中で働いてきた立場から言うと、病院薬剤師の当直の負担は病院の規模・診療科構成によって大きく異なります。「病院薬剤師=当直がきつい」と一括りにするのは正確ではありません。この記事では、病院薬剤師の当直・夜勤の実態と、転職前に確認すべきポイントを整理します。


病院薬剤師の当直・夜勤の種類

院内待機型の当直

薬剤師が病院内に泊まり込み、夜間に発生する調剤・注射薬の払い出しに対応する形態です。救急対応が多い病院、24時間体制の急性期病院で多く見られます。夜間でも急変対応・緊急手術で薬剤師の対応が必要になる場面があり、実働が発生しやすい当直です。

オンコール(呼び出し)型

自宅などで待機し、必要時に病院から呼び出しを受けて対応する形態です。実際に呼び出される頻度は病院・診療科構成によって差が大きく、「月に数回程度」の病院もあれば、「ほぼ毎回何かしらの呼び出しがある」病院もあります。

夜勤専従・交代制

一部の大規模病院では、薬剤部門でも夜勤の交代制シフトを組んでいる場合があります。日勤スタッフとは別に夜勤専従のポジションが用意されているケースです。

当直なしの病院

中小規模の病院、療養型病院、当直体制を薬剤師で組まず医師・看護師のみで対応する病院もあります。「病院薬剤師=必ず当直がある」わけではない点は、転職を検討する上で知っておく価値があります。


当直がきついと言われる理由

拘束時間の長さ

日勤の勤務時間に加えて夜間の当直が入るため、実質的な拘束時間は長時間になります。翌日にそのまま日勤に入る「当直明け勤務」がある病院では、体力的な負担が大きくなりやすいです。

呼び出しへの緊張感

オンコール型の場合、実際に呼び出されるかどうかにかかわらず、「いつ電話が鳴るかわからない」状態が続くこと自体がストレス要因になります。プライベートの予定を入れづらいという声もよく聞かれます。

当直明けの休息が不十分な病院がある

当直明けに十分な休息時間(勤務間インターバル)が確保されていない病院では、慢性的な睡眠不足につながりやすくなります。労働基準法上の休息時間の考え方は職種によらず共通ですが、実際の運用は病院によって差があります。


当直手当・夜勤手当の相場

当直形態手当の目安特記事項
院内待機型(1回)1万〜2万円程度実働があった場合は別途時間外手当が加算される病院が多い
オンコール(1回・呼び出しなし)数千円〜1万円程度呼び出しがあった場合は別途加算
夜勤専従(1回)1.5万〜3万円程度交代制勤務の一環として基本給に組み込まれる病院もある

※目安です。病院の規模・地域・雇用形態によって大きく異なります。求人票の記載だけでなく、面接・エージェント経由での確認が確実です。

当直・夜勤手当は病院薬剤師の年収を底上げする要素になる一方、体力面の負担とのトレードオフになります。「手当が高いから」という理由だけで当直の頻度が多い病院を選ぶと、数年後に継続が難しくなるリスクもあります。


当直の頻度・体制を転職前に確認する方法

求人票だけでは分からないことを担当者に確認する

求人票には「当直あり」としか書かれていないことが多く、月に何回程度か、オンコールか院内待機か、当直明けの休みが確保されているかは記載されないケースがほとんどです。転職エージェントを通じて具体的に確認することをおすすめします。

病院の規模・機能で当て推量する

一般に、救急指定病院・急性期病院ほど当直の負担は重くなる傾向があります。逆に、療養型病院・回復期病院・中小規模病院は当直なし、またはオンコール頻度が低い傾向があります。「急性期医療に携わりたいか、落ち着いた環境で専門性を積みたいか」という希望と、当直の負担は表裏一体になりやすい点を理解しておくと選びやすくなります。

面接・職場見学で直接質問する

「直近半年で当直による呼び出しは平均何回程度でしたか」「当直明けの勤務体制はどうなっていますか」と具体的に質問することは、決して失礼ではありません。曖昧な回答しか返ってこない場合は、実態が把握しにくい職場である可能性があります。


当直なし・負担の少ない病院薬剤師を目指す選択肢

当直そのものを避けたい場合、以下のような選択肢があります。

  • 中小規模病院・療養型病院への転職:急性期病院に比べて当直体制がない、または軽い場合が多い
  • 調剤薬局・ドラッグストアへのキャリアチェンジ:当直・オンコールがない業態が中心
  • 病院薬剤師の中でも日勤専従のポジションを探す:一部の大規模病院では日勤薬剤師と当直薬剤師を分業している場合がある

当直の有無だけで判断せず、チーム医療への関わり方・専門性を積める環境かどうかも合わせて検討することをおすすめします。


転職サービスの活用

ファルマスタッフ(病院薬剤師求人の内部情報に強み):当直の頻度・オンコール体制など、求人票に出にくい情報を担当者に確認できます。

マイナビ薬剤師(病院薬剤師求人の選択肢の広さ):急性期・療養型など、病院の機能別に選択肢を比較したい場合に活用できます。

→ 全サービスの比較は「薬剤師転職サービス おすすめ比較ランキング」をご覧ください。


よくある質問

Q. 病院薬剤師は必ず当直がありますか?
必ずしもそうではありません。病院の規模・機能によって当直体制がない病院もあります。転職を考える際は「当直の有無」を最初の確認事項にすることをおすすめします。

Q. 当直中に薬剤師が対応する内容はどのようなものですか?
夜間の緊急入院・手術に伴う注射薬の払い出し、麻薬の管理、救急外来での調剤対応などが主な業務です。呼び出しの頻度・内容は診療科構成によって異なります。

Q. 当直がきつくて転職を考えていますが、病院薬剤師自体を辞めるべきでしょうか?
当直の負担が主な理由であれば、病院薬剤師をやめるのではなく、当直体制の軽い病院への転職も選択肢になります。チーム医療のやりがいを感じている場合は、まず病院を変えることを検討する価値があります。


まとめ

  1. 病院薬剤師の当直には院内待機型・オンコール型・夜勤専従などの種類があり、負担は病院によって大きく異なる。
  2. 急性期・救急指定病院ほど当直の負担が重くなる傾向。中小規模・療養型病院は比較的軽いケースが多い。
  3. 当直手当は年収の底上げになるが、体力面とのトレードオフを考慮する必要がある。
  4. 求人票だけでは当直の実態は分からない。転職エージェント・面接での具体的な確認が不可欠。
  5. 当直の負担を避けたい場合、病院の規模・機能を変える転職や、調剤薬局・ドラッグストアへのキャリアチェンジも選択肢になる。

→ 病院薬剤師のキャリア全体については「病院薬剤師への転職完全ガイド」も合わせてご覧ください。


監修: 現役医師(放射線治療科・クリニック開業準備中)
病院勤務の経験を持つ医師。医療現場での薬剤師との協働経験をもとに、本記事を作成。本記事の情報は2026年8月時点のものです。

本記事の情報は2026年8月時点のものです。手当・制度・サービス内容は変更される場合があります。最新情報は各病院・公式サイトでご確認ください。

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